沢月亭日記
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2004年8月2日(月) 帰宅
昨日帰宅した。仕事自体はいつものように長くて眠かったけれども、もう大概慣れていることだし、平穏に終わったといってよいだろう。
考えようによってはノンアルコールで5日間過ごすのだから、健康的かも知れない。
ただ、この期間中にちょっとした事件があった。
いつものようにLinuxザウルスを持って行った。1GBのマイクロドライブに辞書と書きかけのあれやこれやのテキストを放り込んで、いつでもどこでも文章が書けて辞書も引ける環境を用意しておいたわけだ。
が、同僚のPCのデータを他のPCにコピーしようと、マイクロドライブを取り外したりPCに接続したりしているうちに、なんだか読み取りができなくなってしまった。ザウルスに戻しても、データを認識できない状態に。
辞書が使えなくなって、とたんに無力化する自分。
とはいえ、受験生に教えることなど限られているので、さほど苦労はしなかったのだが、マイクロドライブが使えなくなって痛いのは、最近書いていた文章やメモが読めなくなってしまったこと。とはいえ、復旧しようにも泊まり込み先では環境がないし、何をどうしてよいのか調べようもない。

動きようがなくじりじりしながら最終日を迎え、帰宅してから早速調べてみる。
…物理的にクラッシュしているっぽい異音。初期化もできず、手の施しようがないようだ。
そういうわけで、諦めて新しく買うことにする。マイクロドライブは今回は避けて(クラッシュが怖いのと、電源を入れるたびに辞書を起動し直さなければならないのが面倒なのとで)、1GBのコンパクトフラッシュを注文。ていうか、この方がむしろ安くなっていた。

辞書データは入れ直せば済むのでよいのだが、やはり痛いのは、テキストファイルが失われたことだ。シグマリオンを使っていた5月半ばまでの分は、シグマリオンに残っていたのだが、それ以降はほとんど残っていない。時間が3か月ほど戻ってしまうことになる。

今日の晩ごはん。
スパゲティミートソース、なすの冷やしスープ、サニーレタスとトマトとセロリのサラダ、ツナときゅうりのごまあえ、ブロッコリーのからしあえ。
2004年8月3日(火) 復旧作業
昼頃に注文していたコンパクトフラッシュが到着。iMacから辞書を、シグマリオンからテキストを移せば復旧(完全に、ではないが)完了となる見通しだったのだが、なぜかコンパクトフラッシュをiMacが認識しない。連れにも助けを求めてみたが、どうやらコンパクトフラッシュのカードリーダライタ自体も壊れてしまったらしい。幸い、ザウルスをUSBケーブルでiMacに接続することができるので、データ移行は完了。
問題は、最近書いていた文章を書き直すことなんだが……特に泊まり込み仕事に行く時の新幹線の中で書いていた分が、うまく出て来ない。

今日の晩ごはん。
大根と豚肉のキムチの素いため、冷奴、サニーレタスとキュウリのサラダ、オクラの梅がつおあえ、じゃがいもの和風グラッセ、モロヘイヤとトマトの冷製スープ。
2004年8月4日(水) 出勤
次の泊まり込み仕事は来週。それまでは普段通りに仕事に出る。
黙々と目の前の仕事を片付けて8時間。昨日復旧させた辞書がさっそく役に立っている。
ていうか、マイクロドライブを使っていた時は、ザウルスの電源を入れるたびに辞書ソフトを起動しなおさなければならなかったのだが、コンパクトフラッシュではその必要もなく、結構快適だ。
帰りがけにヨドバシでテキストファイルのバックアップ用のSDメモリカードを買おうと思ったのだが、最後に手掛けた仕事に予想以上に時間がかかって断念。ま、明日にでも。

今日の晩ごはん。
ハンバーグ和風キノコソース、オクラの冷吸物、きゅうりとわかめの酢の物、セロリの土佐いため、サニーレタスとトマトのサラダ。

2004年8月9日(月) ノーミスで渡っていけるほど世間は甘かぁない
だからこう、胃が締めつけられる思いをするほどにへこむぐらいなら、前を見て明日からのことを考えろ。
携帯の電波も届かぬ山中に泊まり込む、明日からのことを。
(自分を奮い立たせたつもりで、かえってへこんだ)
と、とにかく行ってきます…。

今日の晩ごはん。
チキンチーズソテー、茄子のみそ汁、ゴーヤの酢醤油漬け、にらとちくわのマヨネーズ炒め、セロリの土佐炒め、焼き厚揚げ。
2004年8月15日(日) なんとか帰還
とりあえず無事終了。
いや、面白かったです。集合場所で変なおじさんにつきまとわれて生徒に助けてもらったり、着いたらクワガタが出迎えてくれたり、1人部屋なのにベッドが5つあったり。
前回の仕事の結果生じた、自分でも納得のいかないことによるヘコミは、かなり解消されたと思う。


夜、実家に電話をかける。数日前から小学一年生の姪が泊まりに来ていて、火曜日にどこかに連れて行く約束になっていたので、その確認など。
かけてみると母に、お台場の「船の科学館」に連れて行ってほしいと言われる。当初の予定では、姪が上京した日に空港の帰りに連れて行くことにしていた場所だ。
どうも、当初予定していた13日は、高速道路が混んでいたので断念し、翌14日には電車で行こうとしたものの、ゆりかもめに乗ろうとしたところ、ひどく混んでいたので再び断念したという。
「なんで混んでるのかと思ったけど、どうも花火があったらしいのね」と母。
「あんなにはよから花火の席取るなんてなー」と姪。
…うーん、たぶん朝から混んでたのは、花火のせいじゃなく、別の「祭り」のせいだと思うのだが。
まあ、知らせるほどのことではない。「また混んでたらどないしよ」と心配する姪に「大丈夫だと思うよ」
と言うにとどめる。

今日の晩ごはん。
牛肉となすの重ね焼き、キャロットスープ、大根とキュウリとサラダ菜のサラダ、じゃがいもの千切りサラダ、焼きアスパラ。
2004年8月17日(火) お姫様ご案内
今日は朝から姪を東京案内。お台場の船の科学館と科学未来館に連れて行く。
小さい子を一日連れ回すことなどめったにないことなので、かなり心配だったのだが、連れがいてくれてかなり助かった。
とりあえず、ボタンとタッチパネルが大好きで、他の子どもを押しのけてでも触りたがることと、説明はよほど簡潔にしないと、途中でどこかに行ってしまうということ、それにちょっと広い空間を見つけるとすぐに帽子を投げて遊び出すことがわかった。
……ま、七歳児っていったらこんなものか。
科学未来館はちょっと連れてくるには早かったようで、スタンプラリーぐらいしか興味を持ってくれなかった。むしろこっちが興味そそられる展示が多かったかも知れない。ASIMOもいたし。
スタンプラリーをやりたがる姪のかわりに「友の会」なるものに入り、向こう1年間無料で入館できるようになってしまったので、また行こうと思う。

実家に連れて帰り、夕食をともにする。
姪は私や連れに対しては上機嫌でいてくれたのだが、祖父母(私の両親)に対してはかなりワガママと八つ当たりのし放題だったという。
親と離れて1週間近く過ごすのは初めてのことなので、思い通りにならないことも多いだろうし寂しいだろうし、ある程度仕方のないことかも知れないのだけれど、家庭内で我慢をすることにいかにも慣れていないようだ。
また、私の両親(特に母)は孫だからといってただ甘やかすタイプではなく、ついつい説教が入ってしまう性格なものだから、余計に嫌がられるのかも知れない。
でも、七歳児だしなあ…。と、だいぶ疲れた様子の両親を見て思う。分数の計算ができても、「坊っちゃん」が読めても、同じように社会性が育つわけではなかろうし。
2004年8月20日(金) 幼い日の文学
姪が公文の宿題で「坊っちゃん」を読まされているのを見て思い出したことなのだけれど、小さいうちに文学作品を読むことは、そんなに難しいことじゃないのだろう。そこに何が書かれていて、どういう話なのかは、わりと簡単に把握できてしまえるように思う。
ただ、それはその文学作品を鑑賞したり味わったり、あるいはせめて楽しんだりできることにはなかなか届かないんじゃないだろうか。
自分自身、小学生の時に家にあった文学作品を読みあさり、なんだか制覇した気分になっていたけれど、あとから読み直してみて、ごく表層のストーリーしか追いかけていなかった(だからハッピーエンドでもアンハッピーエンドでもない結末だとよく理解できなかった)ことに気づかされたことがある。読書量は多かったけれど、どのように読むかという自分の姿勢に無頓着で、したがって文章による読み方の違いを把握することが、なかなかできなかった。

幼い頃に文学作品を読んで、それで読んだ気になってしまうとすれば、それはたぶん、その作品との出会いとしてはあんまりよくない。
そんなわけで、姪がいずれ、かつて読んだものをもう一度目にして、過去の自分との読み方の違いに気付いてくれたらな、と願う。

そんなことを考えつつ、仕事を6時で切り上げて新宿で飲む。相手の方とは、何か月かに一度会って飲んでいるのだが、いつもなかなかよい刺激になる。
なぜか国語の教科書に載っていた作品の話になったのだが、その時上記のようなことを言おうかとちらっと思いつつ、語り過ぎるとくどくなるだけなので、ごく一部だけにとどめておいた。
(ちなみに今回とあるゲームをお借りしたのだが、これは別館の方で書くことにする。って、まだ冒頭しか見ていない状態なのだが)
2004年8月24日(火) マルチクイック万歳
今年の夏は暑かった。
過去形で書くのはたぶんまだ早すぎで、まだ暑くなるかも知れないのだけれど、とにかく暑かった。

暑くて困るのは、日々の料理。特に汁物。熱いみそ汁なんか飲みたくない。
そんなわけで、この夏は冷たい汁物をあれこれ作っている。
冷たい汁物といっても、汁物を冷やせばいいというわけではない。いいのかも知れないが、どうも抵抗があってできないものもある。たとえば「冷やしわかめスープ」とか「冷たい豚汁」とかは、ひょっとしたら好きな人もいるのかも知れないけれど、個人的にはあまり作りたくない。
そうなるとヴィシソワーズかそれに類するポタージュ、あるいはガスパチョが有力な「冷たいスープ」候補となるわけだが、これらのスープにはひとつ、面倒な工程があった。
材料をミキサーにかけること、である。
わが家にはミキサーはないのでスピードカッターを使っていたのだが、これがどうも、戸棚の奥から出すのは面倒だし、量が多いとこぼれるし、洗うのも手間だしと、頻繁には使いにくい。
そんなわけで今年の夏、めきめきと欲しくなってきたのが、ハンディミキサーだった。なにしろ、手に持って鍋に突っ込んで材料を混ぜたり切ったり泡立てたりできるのだ。洗うものが格段に減る。

で、8月半ばに衝動的にブラウン マルチクイックMR 5550 CAというハンディミキサーを、Amazonの期限間近なギフト券を使って購入してしまった。
もーこれが便利で便利で、おかげでポタージュが食卓に上る回数が増えた(笑)。
ポタージュ作りの他にも、手の湿疹であまりひき肉を混ぜたくない時や、みじん切りが面倒な時にも役立ってくれて非常に助かる。暑くて料理が面倒な時の役立ちアイテムかも知れない。
というわけで、今日も使ってみた。使い方は以下に。

今日の晩ごはん。
チキンピカタ、じゃがいものポタージュ*、きゅうりとカイワレの醤油梅ドレッシングのサラダ、キャベツとタマネギのサラダ、かぼちゃとベーコンのカレー風味炒め。

昨日の晩ごはん。
いわしのガーリックパン粉焼き、厚揚げと野菜の炊きあわせ(人参、椎茸、茄子、いんげん)、キャベツとジャガイモのみそ汁、トマトとキュウリとグリーンカールのサラダ、きんぴらごぼう。

一昨日の晩ごはん。
厚揚げと野菜の炊きあわせ(人参、椎茸、茄子、いんげん)、しじみのみそ汁、トマトとキュウリとグリーンカールのサラダ、ひき肉の卵巻き**&キャベツの千切り、大根の梅漬け。

一昨々日の晩ごはん。
しいたけのミルクスープ、かぼちゃとモロヘイヤの焼き浸し、豚肉のくわ焼き、焼き厚揚げ、キュウリとグリーンカールのサラダ、茄子の煮物。

*じゃがいものポタージュ適当レシピ(4人前)
 1.じゃがいも小4個、タマネギ小1個を適当に切って鍋に入れ、水とコンソメキューブ1個を入れて中火で煮込む。
 2.材料がやわらかくなって、かろうじて浸る程度の水分量になったら火からおろす。
 3.マルチクイック(もちろん、ミキサー等でも)でなめらかになるまで混ぜる。
 4.牛乳を好みの濃度になるぐらいまで加える。
 5.少し温めて、バターと冷凍しておいた生クリームを投入。溶けたら盛り付けて、冷凍しておいたパセリを乗せて完成。
  半分残った分は、冷蔵庫で冷やして明日の朝にでも。

**ひき肉の卵巻き レシピ
 1.豚ひき肉100グラム、タマネギ1/4個、卵1/2個分、生姜少々、片栗粉大さじ1.5、塩、こしょう、酒適当をマルチクイックのカッター容器(スピードカッターでも可)に入れてがんがん混ぜる(人力で混ぜるのならすり鉢でする)。
 2.薄焼き卵を2〜3枚作る。
 3.巻き簾にラップを乗せ、薄焼き卵を重ね、水溶き小麦粉を塗り(塗らないと肉と卵が分離する…)、肉を平らに乗せて、くるくると渦巻き状に巻く。ラップは巻き込まないように。
 4.巻き簾をはずしてラップでくるんだ奴を皿に乗せ、ラップをかけて、電子レンジで1分。様子を見て裏返し、さらに2分ぐらい。レンジでなく蒸し器を使うなら、ラップを布巾に変えて20分蒸す。
 5.輪切りにして盛り付けて完成。辛子醤油を添える。
(あとから気づいたのだが、これ、焼売の味がする
2004年8月31日(火) 真……
お客さんに対して苛立ってはいけないと思うのだけれど、理解しようとすることを放棄しているような相手が続くと、ちょっと愚痴の一つも言いたくなったり。
「訳を添削してください」と出された大量の英文のうち、9割以上がただ「わかりません」だと、まるでそう書いてFAXで送れば英文の訳が自動的に返ってくると思ってやしないかという気になる。
魔法の言葉じゃないんだから。
「わからない」と言うことは大事だけど、せめて「わかる」ようになろうとしてみてほしい。
かわりに訳なんて、やらない。訳をただ書いて送る方がずっと楽だし、たぶん向こうもそれを望んでいるんだろうけど。
訳ではなく、すべての文について文の構造と修飾関係と語の意味と類似した表現を説明する。
せめてこれをつなぎ合わせようとするぐらいに、理解しようとしてほしいものだけど。


ところで、こっちが本題だったのだが。
「レンコンのはさみ揚げ」は、レンコンをはさんで揚げたものか、それともレンコンではさんで揚げたものか。
「レンコンのはさみ揚げ」で検索して出てくるレシピを見れば、普通は後者を指すようだ。
でも前者だって「レンコンのはさみ揚げ」と呼んでもいいんじゃないか。
「肉の野菜巻き」が、焼肉をサニーレタスなどの野菜で巻いたものの名にも、野菜を肉で巻いて焼いたものの名にもなるのと同じように。

かくして、疑問の余地のない「レンコンのはさみ揚げ」とは、レンコンでレンコンをはさんで揚げたものだと思うに至った。もちろんどちらもただのレンコンだと、はさんで揚げている意味がないので、はさまれる具材にひき肉やエビを使うと、それなりの料理になりそうな気がする。
「真・レンコンのはさみ揚げ」とでも銘打っておこうと思う。こういうものは、とりあえず名付けたものの勝ちなのだから。

というわけで実践してみたのが、今日の晩ごはん。
真・レンコンのはさみ揚げ、わかめと豆腐のみそ汁、大根サラダ、焼きししとう、茄子の素揚げ、小松菜のお浸し。

「真・レンコンのはさみ揚げ(自分で書いていて恥ずかしい……)」のレシピ(2人分)。
・レンコンの5ミリ程度の輪切り(大きければ半分に切る)16枚を作って酢水につける。この時、レンコンを50〜100グラム程度余らせておく。
・椎茸1個、長葱5センチ、生姜1かけ、余ったレンコン、塩/こしょう/酒/醤油/片栗粉(それぞれ適量)、豚(鶏でも可)ひき肉100グラムをマルチクイックのカッターで混ぜる。食材は好みでアレンジしてもらいたいが、レンコンの食感が残る程度にしておくように。
(スピードカッターとかマルチクイックみたいなものがなければ、椎茸と葱と生姜とレンコンはみじん切りにして手で混ぜる)
・できたたねを8等分する。
・酢水につけてあったレンコンの水気を拭き取り、片面に片栗粉をまぶす。2枚を1組にして、片栗粉をまぶした面でたねをはさみ、油でややゆっくり目に揚げる。
・生姜醤油や辛子醤油でいただく。

はさんだレンコンとはさまれたレンコンの二重の食感が、自分でも気に入ってしまった……。

Akiary v.0.50
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