| 沢月亭日記 |
| 2004年3月5日(金) 薬局にて |
| 職場では出勤した順に、空いた席に適当に座るのだが、 どこに座るかによって臨時の仕事を振られたり振られなかったりの差が激しい。 今日は珍しく臨時の仕事を振られにくい席に座ることができたので、 抱えている仕事に（今日、もう一つ増えたのだが）没頭することができた。 が、これはこれで、8時間同じことを続けることになって結構きつかった。 仕事帰りに、駅前のドラッグストアに立ち寄る。 レジ前に立っていると、隣のレジでのやり取りが耳に入った。 客は若い白人男性。流暢な日本語で、治療法を尋ねているらしい。 ズボンのすそをまくり、ふくらはぎあたりが青黒く腫れ上がっているのを見せている。 店員が「痛そうですね」と言うと、男性の返答。 「それが、ほとんど痛くないんです。だから余計に怖いんです！」 反応に困っているらしい店員。 「骨は大丈夫だと思うんですが…」と、さらに説明を加える男性。 男性の気持ちはとてもよくわかるのだが、たぶん、ただの内出血だよそれ…。 男性の傍らでは、連れの女性がこらえきれずに笑っている。普段からこういう人なんだろうか。 見ていて私も笑いそうになってしまったので、慌てて店を出た。 今日の晩ごはん。 豚肉と茄子のキムチの素炒め、小松菜の炒め物、キャベツのみそ汁、大根とわかめとサラダ菜のサラダ、きんぴらごぼう*。 きんぴらごぼうには、先週作っておいた冷凍ささがきが活躍。ごぼう3本分をささがきにし、酢水につけてアクを抜き、さっとゆでてさましてから冷凍しておいたのだ。 |
| 2004年3月6日(土) はじめて、かも |
| どんなに言葉をつくしても無駄だ。今のこの子に私の声は届かない。 職場で電話ごしのお客さんに対して、そんな気分になったのは初めてかも知れない。 自分のスキルのなさもあるけれど、 「（文章を書いて人に見せるということは、その人になにがしかを伝えることだ、 ということをわかっていない、それなのに、自分が書いた文章が誰にどう伝わるか がわかっていない。それゆえに）妙なプライドを持ってしまっていて、突っ込みを 一切うけつけない」 子に効く言葉が見つからなくて。 どうして十代でそんなに固まってるの。 自分に対してちょっとでも否定的な評価があると、なんでそんなに防御しまくるの。 「言ってることが変」は、べつに「君自身が変」ではないんだよ。 気持ちは分からなくもない。自分に対してちょっとでも否定的に感じられる評価を ことごとく予防して、二十代前半ぐらいまで生きてきたから。それで人生乗り切れると あさはかにも思っていたから。 でも、そんな話をしたって、その子はたぶんなんの反応もしてくれない。 だから、さっさと切り上げた。だいたい、40分ぐらいで。 その子の自尊心を損なわない方向で「この文と次の文の間に、こういう文を入れたら いいんじゃないかな」とか言ったけど、鼻息しか返って来なかった。 たぶんあの40分は、その子にとっては自尊心が傷つけられそうでものすごく嫌な時間 だったのかも。 なんだか、電話を切ってからも落ち込んだ。 「あの子の相手したんだって？ 大変だったでしょ」と言われて、たぶん自分一人の対応のまずさ ではなかったんだろうとは思えたけれど、なんか…いろいろやりきれない。 職場から飲みに直行。人の語りの受け皿になるのは好きなのだが、今回受け止めきれた反応を返せたのかはちょっと自信がない。まったく言わなかったけれど、やるせない気持はおかげでふっ切れたんで、個人的には有難い時間を持てた。 |
| 2004年3月7日(日) ちょっと見直した |
| 母から電話。 この春小学生になる姪に、私が昔使っていたものをあげるという話になったらしい。 （本とかピアノとか） その時姪が「耀ちゃんの子にとっとかんでええのん？」と言ったそうな。 ちょっと感動した。その年で他人への気遣いができるなんて。 色鉛筆あげた時も、真っ先にお礼の絵を書いてたし。 ことあるごとに撮影したビデオを送りつけてくるし （「ことあるごとに」は「撮影した」「送りつけて」どちらにかかっても正しい） 七五三のようなイベントには有名どころで着飾らせるし、 スイミングやらピアノやら英会話やらいろいろやらせてるしで、 一人娘を甘やかしたり枠にはめたりしてないか心配してたけど、 兄夫婦、いい方向に育てているみたい。 人への気遣いを、言葉にできる。それだけはこの先も失わずに育ってほしい。 今日の晩ごはん。 かぼちゃとツナのサラダ（サラダ菜添え）、大根のきんぴら、キャベツとソーセージのサラダ風、いただきもの餃子（うまかったっす）、わかめと麩のみそ汁。 |
| 2004年3月9日(火) 準備 |
| 大学の図書館で4月からの準備。この時期の図書館はさすがに静かだ。 ところで最近、手の甲に湿疹ができていて、なかなかよくならない。どうしたものやら。 今日の晩ごはん。 豚肉ともやしの炒め物、大根とカイワレのツナサラダ、大根のきんぴら、もやしのナムル、豆腐とわかめのみそ汁、オクラのおかかあえ。 昨日の晩ごはん。 きゅうりの甘酢づけ、キャベツとコンビーフのグラタン、大根とカイワレのサラダ、水餃子スープ、めかぶ、鶏肉と小松菜の炒め物。 |
| 2004年3月10日(水) 早退 |
| 職場では問題や解説を作成する仕事が詰まっていて、ずっとシグマリオンの画面を見続けている。 そのせいか、夕方あたりから吐き気がひどくなってきた。国語の面談を挟んだりして目をそれとなく休めたけれど、文字を見るとまた吐き気がするので、とてもじゃないけど仕事にならない。 仕方ないので一時間早く切り上げて、帰って寝る。 今日の晩ごはん。 そんなわけでほとんど食べ損ねた状態。かろうじて卵おじやとみそ汁と大根の煮物ぐらい。 |
| 2004年3月12日(金) 一段落 |
| 同時にいくつも仕事を抱えるのは苦手なのだが、職場ではずっと抱え込みっぱなし。 小さい画面から目を離す時間もない。 なんでこんなに切羽詰まってるんだ…と思いつつふと周囲を見回すと、仕事がなくて暇な人々多数。 隣の人は、私が1時間で校正したのと同じテキストを5時間かけて校正していた。 さっさと終わらせても次の仕事がないらしいんだが、なんだかなあ。 とりあえず、ずっと手掛けていた仕事を2つ終わらせた。ちょっと肩の荷が下りた感じ。 今日の晩ごはん。 麻婆豆腐、もやしのお浸し、大根と油揚げの煮物、大根の浅漬け、あおさと葱のみそ汁、かぼちゃのサラダ、きゅうりのピリ辛甘酢漬け。 |