沢月亭日記
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2003年9月1日(月) 失敗。
職場での質問への回答は手書きなので(字があんまりうまくなく、キーボードから入力した方がよほど早い自分には酷である)、ボールペンが手放せないのだが、なかなかこれはと思うボールペンに出会うことができずにいる。
この間まで使っていたものは使いやすかったのだが、出張続きの忙しさに取り紛れて紛失してしまった。かわりに使いはじめた奴は、インクの出が悪く、かすれた文字しか出ない。あまりにかすれるので新しいボールペンを買ってきたのだが、今度はインクが出過ぎる。書いた文字がやたらと太く、黒々としてしまうのだ。確かに太さ1mmとか書いてあるが、これは1.5mmぐらいにはなっているような気が。これはこれで、細かい文字が書けないし、文字を連ねた時のびっしり感がなんだか恐い。なんだか失敗したようだ。
決まった製品を買い続ければいいんだろうが、職場周辺のコンビニでは商品の入れ替えが激しいので、気に入ったものが長く置かれているとは限らないのだ。ううむ困った。
…と、たかだか80〜100円のボールペンで悩むのもなんだかばかばかしいような気が(高いのを買え)。

質問を受ける。「法学部と経済学部ってどう違うんですか?」返答に詰まる。
いや…だって、違うよ? 「どう違う」ってどういう意味?
結局就職のしやすさとか入りやすさとかの違いを聞きたかったらしいのだが、かなり焦った。

今日の晩ごはん。
昨日のチキンカレー、青梗菜のお浸し、なすとピーマンのなべしぎ、人参のサラダ、みぞれ汁(葱と油揚げのみそ汁を作り、お椀に大根おろしと大根の葉を入れておいてみそ汁を注いでみた)。
2003年9月2日(火) 失せもの探しと鯖。
一日の大半を、先日コピーしたはずなのに見つからない文献リストの捜索に費やすのはいかがなものか。
しかもついさっき、さんざん探したはずの机の上からあっさり見つかったし。

買物に行って、1尾150円の鯖を購入。鯖を捌いたことはないが(鯵とか鰯ぐらいしか…)、なんとかなるだろう。帰宅後、切れ味の鈍い包丁で鯖を解体。わかったのは、鯵より鯖の方がでっかい分三枚におろしやすいということと、鯵より鯖の方がでっかい分頭の処理に困るということだった。

最近、時間の使い方がうまくない。連れが家にいないという状況に慣れていないせいだろうか。

今日の晩ごはん(予定)
鯖の味噌煮、船場汁、自家製ミニトマトとキュウリとカイワレのサラダ、ししとうの塩焼き、絹さやのごま風味お浸し、冷奴。
2003年9月6日(土) 逃避
やらねばならないことは山積み。どうしようもなくずるずると先送りしてしまうのは外圧がかかっていないせいだと思ったので、自分で期限をもうけてみたけど、うまくいかない。いかん、これじゃいつもの悪循環だ。
所属を持たない(注)と、やらなくても誰も何も言わない。誰も困らない。誰にも言われず、必要とされるかどうかもわからないままにものごとをやり遂げるのは、結構難しいものなのかも知れない。

昔仲間うちでミニコミ誌のようなものを作っていた時、締切があって追い立てられないと書けない、という人が何人もいた。当時は信じられなかった。書きたいものがあるから参加してるんじゃないのか、ただ逃げる口実にしてるんじゃないか、と。
誰に求められなくても、自分は自分の意志で書きたいものを書いていけると思っていた。
いつか自分が、書きたいものが何かを見失うことになるとは思ってなかったんだろう。今になって締切を求めるというのは、かなり皮肉な話だと思う。
自分の意志を、心の火を、世界への関心を、取り戻すために私は何をしたらいいんだろうか。

注 もちろん、自分がどこにも所属していないというわけではない。今ここに生きている以上、私は常にどこかに所属してはいる。それぞれの場での役割は(たぶんそれなりに)果たしつつ、どこかでそれじゃダメだと思っているだけだ。

でもやることを放っておいて、今日は連れと高田馬場まで「WATARIDORI」と「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観に行ってたりしたのだが。
「WATARIDORI」はもともと、鳥番組に心ひかれる自分にとっては気になる作品ではあったけれど観てなかった作品。映画館で鳥番組を観るのがどういうことかよくわからなくて。何を狙っているのかよくわからない作品のように感じたけど、自分も何かを求めていたわけではないしなあ。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」は、連れがいなかったらきっと観てなかっただろう。マイケル・ムーアを知らなかったので「マイケル・ムーアがアポなし取材」とかいう解説を見てもわけがわからなかったのだ。なんで「ボウリング」なのかもわからなかったし、映画館入口には「BOELING」とあったので、さらに当惑したし。けど観てみれば、一つの仮説を検証しようとしたリポートであることがわかる。「アメリカが銃社会である理由は、恐怖」という。ぞくぞくした。面白かった。けど前の方で、笑えそうにないポイントでやたらとぐふぐふ笑っている人がいて恐かった。

今日の晩ごはん。…は珍しく外食。高円寺駅前の「GANJYUUYAA」にて、ゴーヤチャンプルー、穴子の天ぷら、夏野菜のサラダ、焼飯。
2003年9月9日(火) 山積み
持ち帰り仕事がまた山積みになっている。なんとか持ってきた分は仕上げたが、明日提出したらまた新しいのをもらうであろうことは目に見えている。
添削を重ねていると、自分が知らないことを知っているかのように見せかけようと苦心する高校生の姿が見える気がする。課題文から該当しそうなところを切り貼りしたり、「そんなことはわかってるけどそれだけじゃ不十分だ」と逃げてみたり、設問で出されたお題の本来の定義も課題文での用法もそっちのけでじぶん語の世界を築き上げたり。その反応は、わりと型にはまっている。こういうパターンはどうやってできてくるんだろう。

今日の晩ごはん。
サバの蒸しゆで ラビゴットソース、豆腐と葱のスープ、トマトとカイワレのサラダ、青梗菜のなめたけあえ、連れの実家から送られてきた昆布巻(かまぼこに昆布が巻いてあるやつ)といわし天。
2003年9月12日(金) 認識する主体
別館の方でお世話になっているすいづたくみさんに招待券をいただいていたので、東京オペラシティに「サウンディング・スペース」を観に(聴きに?)行く。サウンドを用いた9つのインスタレーション。展示されているのは「音」である。
印象に残ったのはクリスティーナ・クービッシュの「イースト・オブ・オアシス」。床から天井まで、何本ものケーブルが張られている。渡されたヘッドフォンをつけてケーブルに近付くと、ケーブルごとに異なる音が聞こえてくる。ケーブルの間を歩き回ったり止まったりすることで、近付いたり遠ざかったりしていくそれらの音を聞く。
奇妙な光景である。傍目には、ヘッドフォンをつけた人がうろうろと歩き回っているだけにしか見えない。その人が何を聞いているのか、その人が感じている世界はどんなものなのか、すぐ横で同じようにヘッドフォンをつけている人にさえわからない。
が、そう思った時急に、今自分が認識している世界は、誰とも共有しえない自分一人だけの世界なのだ、という感覚に襲われた。それはものすごく孤独な感じではあるのだが、(ふだん感じている)よりどころを失って虚空に漂っているような不安な孤独感ではない。むしろ、自分の周囲に広がる世界に支えられてここに存在しているという感じだ。
少し、元気になった気がした。

初台から甲州街道に沿って新宿まで、炎天下を歩く。大学時代の同期の友人2人と待ち合わせ。ひとしきり喋ってから、銀座に移動。さらに同期の友人1人が加わる。考えてみれば何年ぶりかという面々なのだが、みんな(自分も)相変わらずなので、あまり久しぶりという気がしない。
2003年9月13日(土) 休日
プランターのバジルでジェノベーゼペーストを作ったり電子レンジでパンを作ったり持ち帰りの添削をしたりと、まあそんな感じ。

今日の晩ごはん。
肉じゃが、豆腐とレタスのサラダ、わかめと鶏皮のスープ、きゅうりとカイワレのサラダ、茄子とししとうの焼き浸し。
2003年9月14日(日) 習合と伝播の神話
オフ会という名目で、国立博物館の「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」と東京都美術館の「トルコ三大文明展」を見に行く。雲一つぐらいしかない炎天下。暑い。ほんとに9月中旬なんだろうか。

(以下、見に行ったものの感想。普段書かないことなので、読み流して下さっていいです)
国立の方は、ギリシャのヘラクレスが東に伝わって日本では執金剛神になった、というような、彫刻の伝播と変遷の過程をテレビでやっていたのが目新しかったのだが、展示もそのあたりが一番面白い。装飾品のどのあたりに注目して、時代と場所によって変わった点と変わらない点を見ればよいのかはっきり示されていたせいだろう。
ただ、展示にあったのは、造型の上での伝播であって、それは信仰の伝播とは同一視できない。
似たような長いものを持っているあっちの神像とこっちの神像では、あっちの方が威厳ありそうなポーズを取ってるから、ポーズを真似してみよう、というような「かたち」の伝播もあっただろう。同時に、それを拝んだり珍重したりした人が「同じようなポーズを取っているということは、こっちの神様とあっちの神様は名前は違うが同じなのだ」とか思ってしまうことだってあっただろう。
さらに、造型とは別に「こっちの神様とあっちの神様はなんか近い気がするから、実は同じだ」というイメージが元になって彫刻が造られたこともあったようだ。アフロディテ、アルテミス、アテナがそれぞれ「大地の豊穣の女神」とされていた像があったし。
異教の神が別の宗教や神話に取り入れられるにはいくつかの過程があって、たぶんそれらが複雑にからんでいたのだろう。このへん、あんまり勉強してないから詳しくないのだが、今回展示されていたのは、そのうちの一部でしかないし、からみようの一端しか示していない。けど、こうして互いに関連させあう中で、神話の中にも使いまわされる存在とそうでない存在が見えてくることが、とても興味深く思えた。

都美術館の方は、興味をそそられるには条件が悪かったというか…とにかく人が多かった上に、展示が人の流れや見るペースを考慮していない印象を受けた。ヒッタイト、ビザンツ、オスマンを同時に見せるなら、その流れの関連もしくは断絶を、展示物によって示してほしかったのだが、それぞれの時期のものを年表と一緒にただ並べただけ、という印象が残ってしまった。もちろん解説ではほかの展示物との比較が書かれていたり、歴史の流れを説明していたりしているのだが、なんだか、十分に時間があって空いた時に来ている人でないと、ああいう書き方をされた解説を読んで納得はしないだろうな、と思った。まあ、でっかいエメラルドのはまった宝剣で「おお」と思わせたらそれでおっけーなのかも知れないけれど、なんだかもったいない。
ただ、ヒッタイトの儀礼容器の動物達の造型と、明朝の中国製磁器とオスマン帝国の宝飾技術のコラボレーションには目を見張った。中国製の磁器に金銀の装飾を施すだけではなく、中国の窯(景徳鎮とか)がオスマン帝国に向けた意匠を施した磁器を作っていて、そこにさらに宝石を飾っていたのがすごかった。

今日の晩ごはん。
オフ帰りに近所のそば屋で「きのこ三昧」。きのこそば、きのこの天ぷら、きのこごはん。
2003年9月15日(月) おめでとー
大阪はなんだかものすごいことになっているようで。

祝日でも仕事。今日のお相手は、薬学部の推薦入試の傾向と対策を聞きたがっている子だという。
とはいえ、化学の問題を見ても難易度なんてわからない。せいぜい、私にも解けそうだからあんまり難しくないとしか。なんで私に振るんだ。
理系の進路相談はできれば理系の先生にお願いします、と、仕事を割り振った人に苦情を言ってみたら、先方に「今回の先生は文系なので化学の問題には答えられません」とか電話している。
違う、そうじゃない。自分の割り振りのミスをさらけ出してどうするんだ。一般的な理系のレベルで簡単か難しいかという判断はつかないというだけなのに。実際、化学の質問もあったけど答えられる範囲だったし。
なんだか苛々してしまったのだが、何をどうして欲しいのかをわかりやすく伝えられなかった自分にも問題はある。どうすれば伝わったのかな。

あんまり関係ない話。
昨日のオフでPostPet V3のCD-ROMを頂戴した。おともだち用プレゼントディスクというやつだ。しばらく使っていなかったが、これを機に復活させてみたので、おともだち募集。sawaduki@yahoo.co.jp っす。

今日の晩ごはん。
豚肉と茄子のキムチの素いため、じゃがいもとわかめのみそ汁、キュウリとカイワレとレタスのサラダ、袋焼2品(油揚を袋にして具をつめて焼く。具は納豆と、ひき肉&葱&人参)、焼きししとう。
2003年9月18日(木) 一日中同じ職場
動かないというのも、結構息苦しいものだったり。

今日の晩ごはん。
豚肉と青梗菜の梅あえ、にらの土佐浸し、冷奴なめたけのせ、トマトとキュウリとレタスのサラダ、納豆汁。

昨日の晩ごはん。
鶏胸肉の自家製ジェノベーゼペーストのソテー トマト添え、ニラとエノキのキムチの素あえ、青梗菜のお浸し、キュウリとレタスのサラダ、カボチャのポタージュ。
ちなみにこのカボチャのポタージュは、先日電子レンジにかけてつぶして冷凍しておいたカボチャを解凍し、牛乳とコンソメを加えただけのもの。にもかかわらず非常に美味。「きょうの料理」2003年9月号にはヒットが多い気がする。
2003年9月19日(金) やるべきことをやった日
なんだ、やろうと思えばちゃんと動けるじゃん。
何かを為せれば何者かであるかどかは気にしないんだから、普段からこうやって(略)

今日の晩ごはん(予定)
麻婆茄子、豆腐と椎茸とにらのスープ、きゅうりとカイワレとレタスのサラダ、大根のきんぴら、青梗菜の煮浸し。
2003年9月27日(土) くらっしゅ
ハードディスクが壊れたのが1週間ぐらい前。壊れたというよりは、壊したという方が正確な表現だろう。スリープから復帰しなくなったからといって、むやみに再起動をかけたのはやはりまずかったらしい。
ともかく、MacOSXが起動しなくなった。再インストールも無理。修復も不可能。
2つに切ったパーティションの一方がなんとか無事だったので、そちらに入っていたOS9で起動し、なんとかメールチェック+αぐらいができる状態ではあるのだが、かなり不便な状態が続いている。
ドキュメントの類も、壊れてしまったもの(ポスペの設定ファイルとか(泣))を除いて救出し、保存できたのだが、今のOSでは読めない形式のものが多く、最初から入力をやり直しているものもある。来週から秋学期の授業が始まるんだけど、それまでに新しいハードディスクにできるだろうか…。
というわけで、しばらく更新を休んでいた。この日記の更新自体にはまったく影響はなかったのだが、そこはそれ、気分の問題で。

今日の晩ごはん。
鶏ももチャーシューと小松菜のどんぶり、オニオンスープ、キュウリとカイワレのサラダ、いんげんのごまあえ、ししとうの梅塩焼き。
2003年9月30日(火) トリビア?
関西限定の阪神タイガースデザインのクリネックス。白と黒の2タイプがある。白いしま模様は18本。18年ぶりの優勝をあらわしている。黒いしまは30本。これは…。
知るとトホホな気分になるので内緒。

ハードディスクは28日に新しいのを買ってきて少しずつ復旧させている。ブックマークを救出しそこねたのが痛い。

今日の晩ごはん。
アジのみりん干し(連れの実家から大量に届いた)、焼きピーマン、豆腐とわかめのみそ汁、にんじんとレタスのサラダ、たたききゅうりの梅風味。

Akiary v.0.50
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